電気新聞が募集した記念論文で塾団体の理事長が優秀賞を受賞した。
この授賞式が経団連会館で行われ、縁あって出席させていただいた。
式典は粛々と進行したが、この中の記念公演がとても面白かった。講師は歴史学者の本村凉二東大名誉教授で、同大学の教養学部で長い間教鞭取られたとのこと。
タイトルは「エンルギーと環境の文明史」。古代から現在に至るまでのエネルギーの活用と環境問題について長いスパンにわたって話が及んだ。
プラトンは古代ギリシャにおける森林伐採と土壌不毛化を嘆いたが、必ずしも事実ではなかった。むしろ、19世紀の人々が、古い時代への憧れなどを背景に話を増幅した、との切り出しで始まった。
その後、16世紀以降、ヨーロッパもアジアも燃料用木材の伐採のため森林が減少して、木材価格が7倍以上上昇。「エネルギー危機の時代」を迎えた。
つまり、木材を石油などに置き換えれば、昔も今もエネルギー問題の本質は変わらない、ということ?
講演の終盤は、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」について。
この有名なビスマルクの言葉について、歴史学者の演者は、「個人は歴史から学んだことはあるかもしれないが、集団が歴史から学んだことは一度もない」、と一刀両断。
「人間が歴史から学ぶことができたただ1つのことは、人間は歴史から何も学ばないということ。」というヘーゲルの言葉で講演が終わった。
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