ある塾団体の研修会で呉善花(オ・ソンファ)氏の講演を聞いた。
呉氏は韓国生まれの日本評論家で現在、拓殖大学国際学部の教授。知日派として知られ、反韓国的な活動が理由で韓国当局から入国禁止措置が取られている方。
この日は最近の韓国との関係悪化の背景として、両国間のメンタリティーの違いについて言及されていた。
日本人は他国から侵略された歴史がない。そのため、縄文時代に遡る自然信仰の価値観を今でも有す。「もののあはれ」はその象徴で、去りゆく命のはかなさを尊ぶ気持ちを持っている。
一方、韓国人は北方からの侵略に絶えず脅かされ、その結果、絶対的な思想を持つに至った。
何か悪いことがあれば、それは過去の悪さに起因するのであり、そうならないために、正しい人間になることを志向した。また、同時に責任を他人に転嫁する文化を持つに至った。
従って、自然信仰を崇拝する日本人は、韓国人から見ると野蛮人であり、いざとなったら恐ろしいことをする民俗に映る。こんなことも、両国間の理解の妨げになっている………という話と理解した。
韓国を訪れていつも感じるのは、人々がとても親切なこと。例えば、道を尋ねれば、わざわざその場所まで案内してもらったことも何度もある。
両国間の政治問題は難しい局面にあるが、韓国人のやさしさや親切心には学ぶ点も多いと感じている。
隣国を理解する示唆を得た講演だった。
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