ある研究会で公立高校の入試について話を聞いた。
埼玉県ではこの春の入試から、公立高校の入試は前期・後期の入試が廃止されて1回の入試に一本化された。来年度からは神奈川県も一本化されることが決まっている。
千葉県では平成14年に推薦入試が廃止され特色化選抜となり、平成23年からは前期選抜に変わった。前期選抜に変わったことにより、すべての高校で学力試験が導入されることになった。
県教委の話によると、当面、現在の入試制度は維持され、一本化はされないとのこと。
このような動きの中で、現在、東京都の動きが注目されているが、この日は、東京都の推薦入試について詳しい話を聞くことができた。
都立高校の入試は、推薦入試と一般入試の二本立てで行われており、一本化への具体的な動きはない。
ただ、都教育委員会の内部では、推薦入試の是非についてかなり突っ込んだ議論が交わされているとのこと。
推薦入試はそもそも学校教育法施行規則に違反している疑いがあること、高校に入るのに楽をさせることは良いことではないこと、チャレンジする教育的価値を奪っていることなどが、議論されてきた由。
「15の春は泣かせない、というのは私は違うと思います。15の春は泣いても、今度、人生で笑えばいいわけですから、そういうものだということをきちんと私たち教育行政にある者が子どもたちにメッセージとして伝えていく必要がある」 という議事録に記載されているある委員の言葉が印象に残った。(平成21年10月22日 東京都教育委員会定例会)
入試制度に「完全」はない。誰もが納得できる制度は存在しない。ただ、より良い入試にするための努力は必要。
東京の議論の過程を垣間見せてもらい、改めて入試制度について考えさせられた。
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