ある教育研究会で東大秋入学にについて話を伺った。
話者は大学入試についてのプロ中のプロ。
今回の東大の施策、テレビや新聞などでもよく取り上げられている。私も興味深くウオッチしてきた話題の1つ。
ところが、この方によると、秋入学は実現しない、この施策は失敗に終わるというのが結論。
これまで、マスコミ報道を表面的に読んできた限り、実現に向かって進んでいると思ってきたので衝撃的だった。
理由の1つは就職。
現在の就職活動は大学3年の年末からスタートして、4年の春に実質的に終わる。秋入学の場合、この時期はまだ3年生。就職活動はできない。
一方、企業や役所が秋入学に対応にするにはコストや制度変更の手間がかかりすぎる。従って、秋入学生は就職で大きなハンデキャップを負う。
もう1つは、ギャップタームの問題。
秋入学の場合、1年生の春(入試終了)から秋(入学時)にかけての半年と、卒業後の半年間にギャップタームが生じる。
この時期の過ごし方については、「さまざまな社会経験を積む」とあるが、それを学生の自主判断に任せていいのかどうか。アルバイトで時間をつぶし勉学意欲から遠ざけるだけではないか、という批判。
事実、京大の学長ですら、「半年の自由時間を与えられたら、おそらく高校卒業生の大多数は、アルバイトをしてお金を貯めたり、短期の海外旅行をして終わりでしょう」という見解を述べている、とのこと。
それやこれやで、結局、秋入学は実現しないとのこと。
果たしてどうなるのでしょうか………?
コメントを残す