四大学連合文化講演会に出た。
この講演会は、東京医科歯科大・東京外語大・東京工業大学・一橋大学の四大学が 2001年に締結した憲章を記念して開催しているもの。
「環境・社会・人間における安全・安心を探る~学術研究んぽ最前線をやさしく解説する」というテーマで、上記大学から5名の発表があった。
文系・理系それぞれの研究者の講演は面白かったが、その中でも一橋大学教授の小林慶一郎氏の話が印象に残った。
「大震災後の経済政策」について、財政健全化を図るには、「消費税率を30%超にしなければならない」という、複数の研究者の紹介があった。
増税については、マスコミがイヤというほど喧伝している。ただ、改めて、経済学者から話を聞くと、その重みを感じざるを得なかった。
もう1つ面白かったのが、「リスク」と「不確実性」について。
この2つは似ているが、意味は全く異なるとのこと。
「リスク」とは確率分布のわかっているもの、「不確実性」とは確率分布のわかっていないもの。両者は区分しなければいけない。
リスクは数学で合理的な判断や対処が可能。サイコロや交通事故の確率などがその一例。
他方、不確実性はデータ数が少なく確率分布が不明。だから数学的判断ができない。例えば、原子力発電事故による発ガン、サブプライショックによる影響などが一例。
そして、不確実性の提唱者(アメリカ経済学者 Frank H. Knight)によると、「最悪の事態を想定した行動」が、最も合理的な対処方法だそうだ。
つまり、不確実性への対処は、「後から考えたらここまでやる必要がなかった」という対応が最善策となる。
これは、教育にも言えるのではないかだろうか。教育の成果は数値で把握できないものが多い。つまり「不確実」。
それならば、「ここまでやる必要がない」ところまで、やらねばならないのではないだろうか。
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