ある本を読んでいたら、ソニーのAIBOの開発担当者の話が載っていた。
その担当者曰く、「われわれは世の中に役立つ商品だけを開発しているわけではない」とのこと。
AIBOはペット小型犬のペットロボット。産業ロボットなどと違って、人間にとって役に立つものではない。考えてみれば、われわれの身の回りには、生産性を上げたり、効率化を図ったりするのものばかりがあるわけではない。
少なくても、わが家にいる2匹のネコは、なんの役にも立っていない。
でも、ここで翻って考えてみると、ロボットですら「役に立たない」存在が許されるのなら、われわれ人間だって、「役に立たない」人がいたっていいはずじゃないだろうか。
今、世の中が閉塞感に包まれ、大学生は就職で苦労して、それを見ている子どもたちも自分の将来を案じている。そんな中、少しでも将来、世間で役に立つ人間になろうと努力している。
もちろん、これはこれで結構なこと。
でも、これだけでは、なんか、淋しい。
勉強はある意味、人間の余暇活動。役に立たない勉強も許されていいはず。勉強を勉強として楽しむ。そんな余裕もあってもいいのではないかと思う。
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