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 ある塾団体の主催する「保護者対応」についてのセミナーに参加した。


 通常の取引では、お金を出す人と商品やサービスを受け取る人は、当然、同一人物。例えば、レストランで食事をとれば、食べる人とお金を支払う人は同じ人となる。


 ところが、塾は違う。塾で教育サービスを受けるのは子ども、しかし、受講料を支払うのは保護者。


 そして、保護者は、お金を支払っているにもかかわらず、日々の塾での教育現場を見ることは決してない。もっと言えば、塾で、実際どのような教育がなされているのかほとんど知る機会がない。


 従って、塾にとって、保護者に子どもの様子を知っていただくことは極めて重要な責務となる。


 ところが、これが、案外、難しい。まさか、毎日、授業参観をやるわけにもいかないし、もちろん、保護者にそんな時間もない。


 それに(これは好ましくないことはもちろんだが)、塾の日々は、どうしても子どもの指導に追われて、そこだけに全力投入がなされ、保護者対応が後回しになりがちになる。 


 今日のセミナーでは、こんなことを背景に、いかにして保護者に塾のことを知っていただくか、いかに塾の実態を「見える化」するかについて話があった。


 このテーマ、やはり、「これ」という決め手はないというのが実態のよう。


 でも、その中で、保護者には子どもの断片情報(理解がどうの、とか成績がどうの………)を伝えるのではなく、塾での立ち居振る舞いも含めて「ドラマ化」して伝えなくてはならない、という部分が印象に残った。

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