「学習塾講師検定審査員公開研修会」なる会に出席した。
いささかオドロオドロしいネーミングの会だが、要は、塾講師の授業検定審査員を研修をする会。
塾には政府の規制は一切ない。
塾を開くのも自由だし、塾講師になるのに資格もいらない。学校の先生になるには教育免許が必要だが、塾講師には不要。レストランを開くにはさまざまな届け出が必要らしい(詳しいことは知らない)が、塾の開業には届け出も不要。
そんな中、塾講師のレベルアップのために、経済産業省や三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどの協力を得つつ進めているのが、この検定制度。
塾講師としての最低限の能力を見定めて資格を与えるもの、とのこと。
日本人は資格が大好き。しかし、塾は「自由」「カリスマ」「独自性」などが壁になって、これまで、検定制度は一切なかった。その意味では、「画期的」な出来事と言えるかもしれない。
この日は、授業風景のビデオを見ながら、私たち審査員が、その授業を採点して、合否を決める研修が行われた。
最初のビデオに出てきたのはある女性講師。生徒管理や授業の盛り上げ方などに強い不満を感じた。当然、私の採点では不合格。ところが、この授業、「満点」と評価されるものとのこと。
参加者からは、思わず、「エー」の声。
そこで、主催者から説明。
「上手・下手を採点しないで欲しい、それぞれの項目をやった・やらないで採点して欲しい。」
「要は、自動車教習所の指差し確認と同じ。指差し確認をしたかどうかが採点ポイントで、その結果、事故が起きたかどうかは採点対象外」
………客観性を持たせるには、好みや授業の中身なども排除しなければならないとのこと。
何人かの授業ビデオを見つつ、ようやくルールがわかってくる。それでも、やはり、採点に迷う。
この日の最後は、審査員を審査するテスト。授業ビデオを見せられて、採点結果を提出する。
後日、このテスト結果(つまり合否)送られるとのこと。
他人を審査するするより、自分が審査される方がはるかにカンタン。他人の評価は難しいし、メンドウ。
何とも言えない一日でした。
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