長女を連れてオペラ「フィデリオ」を見た。
演奏はウィーン国立歌劇場。一度、聴きたかった演奏だった。
演奏家もオーケストラも個性がなくなったが、ウィーンフィルは別と思っていた。(別であって欲しいと願っていた。)
30年くらい前、カールベームの指揮で、NHKホールでブラームスの交響曲を聴いた。このとき、はじめて、ウィーンフィルの官能的な音色(ウィーン節?)に気付かされた。ウィーンフィルのナマを聴いたのはこれがはじめてではなかった。しかし、それまでは、この音色に気付かなかった。
カールベームは好きな指揮者ではない。でも、その音色に陶酔したのを、今でもはっきり覚えている。
この音色は今でも残っているのか、オペラでも同じなのか、もし、そうなら、歌とどうマッチングするのかを知りたかった。
小澤征爾が現れ、序曲が始まる。かつてのベームほどではないが、随所に、「ウィーン節」が残されている。そして、歌が始まっても、それは同じ。官能的な音色がホールに響く。
ウィーン節が奏でられるたびに、ぞくぞくする。
終演後、長女に感想を聞いた。
「私に聞かれたって、わかるわけないじゃない。でも、今日の演奏はよかった。1日つぶされたけれど、まぁ、全体としてはプラス・マイナスゼロってとこかな。」
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