久しぶりにオペラを堪能した。
ロッシーニの「ランスへの旅」とモーツアルトの「イドメネオ」を2日連続で見に行った。何日間か連続で演奏会に行ったことはよくあるが、オペラを連続でというのは、ひょっとしたらはじめてではないかと思う。
「ランスへの旅」はよくわからないオペラだった。誰が主役で誰が脇役なのかはっきりしないで(全員が主役?)、カーテンコールのときも、誰が何を歌ったのかさっぱりわからなかった。
音楽はとても耳当たりがよいのだが、話の筋がぜんぜんわからない。事前に調べていかなかったのが悪いといえばそれまでだが、結局、何が何だかわからなかった。一緒に連れて行った長女も、これまで見たオペラで一番ワケがわからないと嘆いていた。
「イドメネオ」は面白かった。このオペラに連れって行ったのは次男。
最終幕で、父親が実の息子をネプチューン(海の神様)に生け贄として捧げるシーンがあった。父親が正に息子を殺そうとするときに、息子はその父親に対して、「私はあなたから生まれて、あなたに命を奪われるのは喜びだ」と感動的な言葉を発している。
オペラ終演後に、この場面についてどう思うか彼に問うてみた。
その答えが、何と、「あれはどうせ、自分が殺されないのがわかっているから言えたんだ。本当ならそんなことを言うはずがないですよ。」だった。(オペラの中では、その後、ネプチューンの許しがあって殺されないで済んだ)
これを聞いて心底ガッカリ。
ウソでもよいから、「ぼくもお父様に殺さるなら本望です」という答えを期待したが、そんな健気な息子なんかではないことを実感。「情けない奴だ」と叱ったがどこまでわかっているのやら。
長女も次男もオペラはあまり好きではないらしい。でも、人間のすばらしさに気づかせるためにも、今後もオペラに連れて行こう。
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