なぜ生徒がわからなくなってしまうのか、この教科書に書かれた2文のどこが悪いのだろうか。
その理由は、この2文では、現在完了の基本的な説明のほかに、
- 経験用法と継続用法の違い
- I’ve = I haveの説明
- been の説明(中学生にとってbeenは馴染みがない)
- nowについての説明
を説明しなければならないことにある。
現在完了の通常の説明の上に、これらを付け加えると相当なボリュームになる。だから、一度に吸収できる生徒はごくごく限られる。
教科書を使って指導することは大切だ。しかし、教科書をそのまま指導することは問題が多い。教師がプレゼンテーションの内容を吟味しないと、脱落者が生まれてしまう。そのような時に、多くの場合、生徒の責任に帰されることが多いが、それは大きな間違いだと思う。
多くの場合、「わからなくなる」責任は生徒ではなくて先生の方にある。ただ、生徒はそのことを論理的に説明できないので、責任をすべてかぶらされることが多い。気の毒なことだと思う。
プレゼンテーションでは、生徒の頭の「メモリー」の消耗を最小限にするのが教師の大切な役割だ。だから、教師は、そのためにベストの例文や例題を用意して、最も合理的な解法や解説を提示すべきである。何となく、教科書や問題集にのっている例文や例題を使うのは学生講師のやることだと思う。
ちなみに、私は現在完了の説明するときには、この文を使うことにしている。
I have lived in Urayasu for ten years.
なぜなら、
- この文の中に生徒が知らない単語はまず含まれていないこと。
- 継続用法から説明するのが、現在完了を理解させるのに最適だからだ。
どうもご無沙汰しています。
プレゼン力の記事はその通りだと思います。
そもそも教育者として人の見本になる方は、当然伝える基礎のプレゼンができて当たり前、さらに上級テクニックの、笑いを取る、やる気にさせるなどは欲しいところだと思います。
自分の経験論なのですが、社会人経験が薄いとどうしてもプレゼン力が薄くなると思います。
それと、
修身教授録という本をご存知ですか、
自分はこれは名著だと思い、最近読み返しています。
コメントありがとうございます。
「社会人の経験がないとプレゼン力が薄くなり」というご指摘、その通りだと思います。
営業でも企画でもどのような仕事でも、仕事を進める上では、体を張った「言葉」が命になります。大学生の方にはこのような経験が乏しいので、プレゼン力を磨くことが難しいと思います。
当学習会が「プロ講師」にこだわるのもこれが一因です。
『修身教授録』は読んだことがありません。さきほど、アマゾンで注文しました。届き次第、すぐに読みます。