プレゼンテーションの例として、英語の現在完了を例に述べてみたい。
現在完了の授業で使う最初の例文はどうあるべきであろうか。もちろん、教科書にも問題集にも例文はのっている、それらの例文を授業で使うことはもちろん
可能だ。しかし、大切なことは、仮に、それらの例文を使うにしても、なぜ、その例文を使うのか、教師はその理由を説明できなければならないと思う。
かつて大学生を使って個別指導を行っていたころ、彼ら彼女らは、教科書や問題集の例文を、そのまま使っているのをよく目にした。彼らの知識と経験、それに限られた責任ではそれらの例文をそのまま使うのにためらいはないのだろう。
しかし、教育の現場を離れて、一般のビジネスの現場で考えてみよう。例えば、企画書を自分で書かないでプレゼンテーションをする人はいるだろうか。教師にとって、例文はビジネスの企画書に相当するものだ。これが、「何でもよい」はずがない。
極論すれば、自分の選んだ例文や例題以外はすべて誤り(その授業で使うには好ましくない)であり、自分の提示する例題や例文だけがベストで
あるという信念と覚悟を持つことが必要だと思う。
生徒にとってはじめて勉強する現在完了である。例文の中に、現在完了以外の要素や知らない単語があることは絶対に避けなければならない。なぜなら、も
し、現在完了以外に何かわからない要素が含まれていると、生徒はその部分を理解するのに頭のメモリーを使わなければならないからだ。
ちなみに、浦安市で使われている英語の教科書ではじめて出てくる現在完了の文は次の2文だ。これが同じページにほぼ連続して出てくる。
- I’ve studied English before.
- I’ve been here for a week now.
前者は「経験」、後者は「継続」の現在完了だ。この2文をはじめての授業で一度に教えたら、おそらく、多くの生徒は脱落すると思う。あるいは、脱落しないまでも、「現在完了は難しい!」という気持ちを植え付けてしまうと思う。
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