長男と次男を連れてプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を見た。パリの下町に住む若者たちの夢や恋が描かれた後、ヒロインの病死という、オペラのいつものパターンで終わる作品だ。
ところが、子どもたちは、2人とも幕が開くと同時にすっかり夢の中。どうして、ウチの子どもたちは芸術を愛そうとしないのだろうか。長男・次男ともボエームを見るのははじめてだが、長男は休憩のときに、「筋書きが面白くない」と文句を言っている。
確かにボエームのストーリーは他愛のないものだ。というか、オペラのストーリーはほとんどそうだ。そんなオペラに対して、筋書きがつまらいといっても始まらない。長男にそのことを話したが耳をかそうとしない。
私もボエームを見るのは2度目だが、以前見たのはもう30年ほど前だ。いつも、オペラを見て感じるのは日本の国力だ。昔は今ほど頻繁にオペラが上演されなかった。舞台もチャチだった。オペラと国力は高い相関関係にあるように思える。
長男・次男が大人になったときに、彼らは日本でこのようなオペラに接することができるのだろうか。ひょっとしたら、「昔、父にムリやり連れて行ってもらったオペラは豪華なものだった」と彼らの子どもに話をするのではないだろうか。
一国の力は教育の力によって決まると言われる。将来のオペラのためにも子どもたちを鍛えなければいけないと思う。
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