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講師 山内 雄司

「AО・推薦入試(今の総合型・学校推薦型入試)」にはさまざまな誤解があります。この入試では、一般的なペーパテスト(英語・数学など)が課せられません。基礎学力と小論文や面接などで、受験生の意欲や入学後の目標、人物像などが総合的に評価されて合否が決まります。ですから、これを「勉強しなくても受かる入試」として、学力低下の引き金として非難されることがよくあります。

また、つらい英語や数学の勉強なんかしなくても、小手先の小論文や面接練習で受かる、と安易に捉えられることもあります。実際、当学習会にも、「小論文と面接練習を短期間で何とかして欲しい」という希望が寄せられます。

しかし、通り一遍の小論文や面接の対策をしただけでは合格を勝ち取ることは不可能です。

10年以上前より当学習会は「AО・推薦入試(今の総合型・学校推薦型入試)対策」に取り組んできました。当時、まだこの入試対策を本格的にやっている塾や予備校がほとんどありませんでした。参考になるカリキュラムもない中で試行錯誤をくり返しました。

今ではこの対策を行う塾・予備校もたくさん出てきました。すべてを把握しているわけではありませんが、知る限りでは、小論文演習や面接練習を中心としているところが多いようです。

面接では話し方や礼儀作法などの形式はもちろん必要です。しかし、「話すべき内容」をキチンと話せるようになるためには、逆説的ですが、面接練習をいくらくり返してもできるようになりません。小論文も同じです。共通して必要なことは、もっと大きな「論理構造」を築き上げることです。

入試では当然、「自分はいったい何をしたいのか?」「それはなぜなのか?」「そのためにこれまでどんな努力をしてきたのか?」「大学ではどんな学びをしたいのか?」「どのように社会に貢献していきたいのか?」などが問われます。これに最初から答えられる高校生はまずいません。こんなことを考えたことすらない、というのが一般の高校生の姿です。

面接も小論文も、この問いへの答えがなければ、内容は全く空虚になるのは当然です。まずはこの問いへの答え「論理構造」を築き上げるのが先決になります。

論理構造を築くためには、さまざまな取り組みが必要になります。何よりも自分自身を知ること(自己分析)が求められます。そのために、自分の過去、記憶にある幼少時代を思い起こし、自分がどんな子どもで、どんなことに興味があったのか、場合によっては保護者の協力を得ながら思い出し、文章にします。このときにマインドマップという図案化した手法を用いることがあります。そして、順次年齢を追って、直近の高校生時代までの記憶を追います。自分の再発見です。

自分の興味や関心が明らかになったら、それを「自分は何をしたいのか」という言葉に表します。これもカンタンではありません。ある生徒はイベントをやって人を楽しませたいと言っていました。ただ、これでは漠然としすぎています。そのために、イベントをキーワードに自分を探り、世の中にはどんな仕事があり、何が不足しているのかを考えました。そして、3週間後にようやく地域の活性化、「町おこし」という言葉を見つけました。

ここが出発点です。ここから次のように考えを詰めていきます。

「なぜ町おこしに携わりたいのか」「これまでの経験や学んできたことがどう関連するのか」「どんな町おこしをしたいのか」「成功例や失敗例はどうなのか」「町おこしにはどのような障害があるか」「その障害を乗り越えるためにはどうしたらよいか」「そのために何をしてきたか」「そしてこれから何をするべきか」………

多くの生徒はこれを詰めていくのに、多くの苦痛を感じます。「こんな対策はイヤだ」「やっぱり普通の受験をしたい」ともっともらしい理屈をつけてゴネます。保護者からも「うちの子には向いていないようで」「先生のやり方にはついていけないようで」とクレームをいただくことも再三です。その一方で、考えを詰めていくと、素晴らしいアイデアが生まれたり、何となく抱いていた希望が具体化して、わくわくしたりします。先の例の「町おこし」を考えた生徒も、素晴らしいアイデアが浮かび

総合型・学校推薦型入試の対策は時間がかかります。小手先の面接や小論文ではありません。自分の進路を本気で考え、実現の可能性を探っていく行為で、ほとんどの生徒にとって初めての経験です。しかも、教科学習と並行するのも楽ではありません。

しかし、苦労する価値は十分にあります。目標を立てて実現へのプロセスを考え抜く力は、大学の合格はもちろん生きていく上で大きな力になるのは言うまでもありません。これまで多くの生徒から、「就職活動でものすごく役に立った」という声も聞いてきました

興味をお持ちの高2生、高3生はぜひこの試練に飛び込んでみてください。

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