講師 山内 雄司
学習塾にとって、生徒一人ひとりの得意不得意、能力、性格、モチベーション等を把握することはとても重要です。伸栄学習会ももちろん同様です。授業中の様子、なにげない雑談、試験の結果、保護者面談でお聞かせいただいたこと等など、いろいろ情報を勘案して子どもを総合的に理解しようと努めています。
子どもを理解する上で、良い意味でも悪い意味でも講師の経験や直感は重要です。そして、ベテランであればあるほど、自分の直感や判断を信頼する傾向にあります。ただ、実際のところ、講師全員が同じ判断になるかというと、そうではなく見方にズレがあるのが実情です。
また、子どもはいろいろな顔を持っています。心理学などの学説に従えば、人間は相手によって見せる顔を変えるというのが定説のようです。従って、最も身近にいるご両親でさえ、見せる顔はご両親様向けであって、子どものすべてとは限らないということになります。
まして、塾での中で講師に見せる顔も、塾用の顔であってその子どものほんの一部分です。このことも、子どもの理解を複雑にしている要因です。考えてみれば、塾向けの顔を見て子どものすべてを知ることができる、と思うのは傲慢かもしれません。ちょっと脇道にズレますが、長年、塾の講師をしていて感じるのは、恐らく、子どもは、塾でその子の一番いい顔、ベストの顔を見せていることです。子どもは塾には勉強しようという気持ちで通ってきます。しかもその背後にご両親様の強い期待があります。塾はイヤなら止めることもできるので、無理強いではなく自由意思で通っています。こんな背景もあって、私たち塾講師は、毎日、子どものベストの顔を見ることができると思っています。
これらを考えると、子どもの特性を客観的に把握するのはとても難しいのが実情です。もちろん、講師の経験や直感に頼るのも危険です。例えば、手段の1つとして心理検査があることも知られています。ただ、心理検査の場合、フィードバックも含めると長時間が必要になります。また、例えばよく知られているWISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)等の実施には様々なハードルのあることも感じていました。
そんな中、このたびご縁があって「NOCC教育検査」と出会いました。この検査は簡便に流動性知能・性格・モチベーションなどを検査することができます。しかも信頼性や妥当性も確保されています。是非、お両親様にはお子さまを多面的に理解いただくために、私たち塾講師は潜在的な力や隠れたモチベーションなどを把握するために活用いただけたらと考えております。
この検査は保護者様の検査も併用できます。それによって、親子の関係性なども探ることができます。お子さまとの関わりのヒントが得られるかもしれません。検査に必要な時間は30~40分ぐらいです。これを2回行い、データを取得します。質問に答える形で進めますので、大きな負担とはなりません。お子さまは基本的に塾で受けていただきます。保護者の方はインターネットを使いご自宅で受けていただけます。操作はとても簡単ですので心配いりません。
この検査によって、今後の学習の進め方などを改善していきたいと考えております。