2018年11月号……『国語の勉強法』 講師/山内 雄司
主要科目5教科のなかで、国語の読解問題は「勉強方法がわからない」という声をよく聞きます。「国語は教えてもらっても仕方ないですよね」「読書をしたらいいですか?」「問題演習をたくさんやればいいですか?」という質問もよく受けます。
文章読解が苦手であるという場合、原因はいくつかあります。まずひとつ目は文章そのものを読めないことです。言葉はいくつかの固まりにとして捉えないと意味が通じません。文字をひとつずつ音に直していると、ある程度以上の長さを超えたら意味がつながらなくなります。
「さすがにそのぐらいはできる」と言われそうですが、実際にはこの問題を抱えている子どもは多くいます。読書がキライ、文章を読みたくない、すぐに疲れてしまう、という人はその可能性があります。この解決方法としては速聴が有効です。読解力の基礎を作るには読み聞かせが効果的です。
ふたつ目は、文章を読めるが読解問題が苦手という場合です。運がいいと点数が取れるが、運が悪いと悲惨な結果になるという人です。つまり、国語の読解を「勘」でやっているケースです。選択肢や抜き出し問題で、理屈の通らない誤答をする傾向があるのがこれです。
こういう生徒に「なぜ、これを選んだの?」と聞いても、明確な答えが返ってきません。設問条件・文脈・言葉の切り方・文末表現など文章は論理的に構成されています。それにもかかわらず、自己流に文章を読み込んで、独りよがりな解答をしているので、「なぜ」に答えられないのです。国語の読解は論理(ルール)に従って問題が作られています。これらのルールを無視すれば、当たったり外れたりの運任せになってしまうわけです。
「日本語で書かかれているのだから、意味を取り違えることなんかあり得ない」と考えることに、そもそものすれ違いの発端があります。文章読解の論理やルールは生まれながらにして持っているものではなく、後天的に訓練して身につけるべきものです。数学や理科は基礎から積み上げないとわからなくなる、というのは誰でも知っています。しかし、国語の場合はこんな当たり前なことが見逃されがちです。
こんな感じで選択肢を選べば正解になるだろう、この部分を抜き出して答えれば得点になるだろう………ではいつまでたっても国語の読解はできるようにはなりません。国語の勉強法の第一歩は自己流から抜け出すことです。このことを、是非、知って欲しいと思っています。