2007年夏-1号……『X+α-m』 塾長/青沼 隆
来年度の入試から県立高校の制度がまた変更されます。変更の内容は「内申書」の取り扱い方法です。中学の内申書(通知表の成績)は絶対評価で付けられていて、学校間で甘い辛いがあります。今回の変更では、評価の甘い学校の生徒にはマイナスを、評価の辛い学校にはプラスをしようとするものです。
具体的には算定式「X+α-m」が使われます。
X:各生徒の9教科の3年間の成績合計
(満点は9教科×5点×3年分=135点)
α:評定合計標準値(一律に95点が使われる)
m:各中学の評定合計平均値(評価の甘い学校ではマイナスが大きくなる)
中学校間の「甘い」「辛い」の差は想像以上に大きく、これが県立高校入試の不公平の原因となっていました。入試の合否判定は当日の入試得点と内申点の合計で決められます。この結果、評価の甘い中学からは多数の合格者が、反対に評価の辛い中学からは合格しづらいという現実を生んでいました。
この調整をするのが今回の変更の目的です。ちなみに、下表が最新の行徳・浦安地区の中学校別の数値です。右欄が甘い辛いの調整分(上記算式のうちのα-m)です。この調整分が各生徒の成績に加減されることになります。
評価の辛かった堀江中・福栄中の生徒には朗報、反対に評価の甘かった日の出中・美浜中・塩浜中には悲報となります、
県教育員会としては、今後、各中学の成績評価を一律に「評定合計標準値」の95、1教科あたり3.5(要するにオール3に4が半分)に収斂させたいとのことです。ただ、これまで評価の甘かった中学が、いきなりその数値に持って行くのは保護者の目もあり難しいのではないかと言われています。
ただ、いずれにしても、これまで中学校間の不公平が改善される点で、多くの公立高校は今回の変更を好意的に捉えているようです。