2004年冬号……『選ぶということ』 塾長/青沼 隆
選択肢がたくさんあることは良いことと思われています。例えば、テレビなどの電化製品を買う場合、目的や予算に合わせて、いろいろ迷いながらたくさんの商品から欲しいものを絞り込んでいくのは楽しい作業です。ビールはどのブランドもたいした差があるとは私には思えませんが、その日の気分で違ったものを選べるのはうれしいものです。もし、電化製品でもビールでも何でも、種類がなく選択の余地が少なければ、私たちの消費活動はずいぶん貧しいものになってしまうだろうと思います。
選択の幅が広いことは良いことです。しかし、“いつも”そうかと言われれば、必ずしもそうとは言えないと思うことが多くなりました。特にこの時期、志望校の選定でそう思います。例えば、高校受験の場合、浦安市から通学可能な高校は、県立・私立合わせて100校以上に上ります。その中から、自分の適性や将来の進路、学校の校風や現時点での偏差値などを見極めて志望校を選ばなければなりません。しかし、適性や進路といわれても“そんなことわからない”という人が多いのではないでしょうか。学校見学の必要性を感じつつも、こんなに多くては、“どこを回ったらよいかわからない”というのが実情ではないでしょうか。
志望校選びはテレビの買い換えとは違います。ひょっとしたら、一生を左右することになるかもしれません。そんな大切なことにも拘わらず、判断材料となる情報は驚くほど不足しています。テレビとは大違いです。テレビなら大きさや品質など何でもわかります。しかし学校はそうもいきません。100校以上もあり選択の幅が広く、一見、納得のいく選択ができそうです。しかし、肝心の情報が決定的に不足していて、結局のところは100もありながら、何となく知っている中から“エイヤッ”で決めなければならない………皮肉なものです。
もし、浦安の中3生にとって選択可能が高校が3~4校くらいであったなら、高校入試にはずいぶん違ったものになるだろうと思います。そして、日本全体を見渡せば、浦安のような大都市圏を除けば、多くの中3生がこのような環境の中で高校入試を行っています(ご両親さまの中にはこのような環境の中で高校入試を体験された方も多いのではないかと思います)。恐らくこのような環境下の高校入試は、選択肢の幅は狭いものの情報の質と量の点では豊かであると思います。
人は重要なことであればあるほどその選択は慎重になります。それは、選択によって失うものが大きくなるからでしょう。何かを選ぶということは、その選ばなかったものを失うことを意味します。学校の場合、もしA高校を選べば、B高校に通ったときに得られたかもしれない何かを失うことになります。B高校を選んでいれば、X大学ではなくてY大学に進学したかもしれません。就職先もD社ではなくE社になった可能性もあります。自分の気づかなかった才能が引き出されたかもしれません。人との出会いも全く別なものになります。ひょっとしたら結婚相手も変わるかもしれません。A高校を選んだがために、B高校で得られたであろうこのような大きなものを失うことになります。そして、その失ったものの大半は永遠に取り返しのつかないものです。
このように考えてみると、選ぶということは、決して楽しいこととは限らなくなります。選ぶということは、人生の可能性を閉ざしてしまうことを意味します。
それだけに、志望校選びは時間をかけて慎重に行って欲しいと願っています。小学5年生、中学2年生、高校2年生の諸君、今すぐからでも決して早すぎるということはありません。早く行動を起こすことをお勧めします。そして、すでに選択をした諸君。これぞ“最良の選択”という信念を持って下さい。人生は前にしか進めないのですから。
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Ⅰ.英検の時間について
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◆ 来る1月22日(土)に英検の試験があります。
時間は次の通りですので、お間違えのないようにお願いします。
5級・3級………13:15 集合
4級・準2級……15:00 集合
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Ⅱ.テレホンイングリッシュについて
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◆ 次の各日は担当講師の都合によりテレホンイングリッシュをお休みさせていただ きます。
12月30日(木)31日(金) 1月6日(木)7日(金)
1月13日(木)14日(金)
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Ⅲ.塾の指導システム高度化について
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◆ 現在、当学習会では次の点を中心に塾のシステム高度化を検討しております。
①生徒が塾に登校したときと下校したときに、ご両親さまの携帯電話に「塾 に登校した」あるいは「塾を下校した」というメッセージを送るサービス。
現時点でも時間までに塾に来ない生徒にはご家庭にお電話をさせていただいております。ただ、下校時にはご連絡の手段がなく、帰宅までの時間は実質的に空白にあっております。昨今、通塾にあたっての危険が増している中、当学習会としてもその安全には従来より増して配慮する必要があると考えておりますが、本システムはその一助になると考えております。
②パソコンをお持ちのご家庭にあっては、パソコンを使って塾の宿題や復習を行い、その学習履歴を蓄積するサービス。
小学生4教科(小4~6)、中学生5教科、高校生2教科(高1)の学習がいつでもご家庭で行うことができます。膨大な問題の中から必要なものをパソコンでいつでも呼び出せますので、苦手単元の復習はもちろんテスト対策などがいつでも可能になります。ご自宅の書棚にこれらの問題集が何冊も完備されているとイメージして下さい。中1生が小6の問題を復習として、また中2の問題を先取学習りとして取り組みことも可能です。しかも、その上、やった問題の正否とやった日時がいつでもわかります(本人もご両親さまにも塾にも)ので、勉強を本当にやっているかどうかや理解度などを的確に把握できます。
その上、塾でやっているやっていないに拘わらずどの教科も勉強できます(例えば、塾で算数しかやっていない小学生が自宅では理科も社会も国語もできます)。このシステムを活用することにより、塾での勉強と並行して、ご家庭で全教科の勉強を効率的に取り組むことが可能になります。しかも上記の通り、単なる教材の提供だけではなく、その進み具合を簡単に保護者の方に把握いただけますので、このシステムだけで一般の通信教育以上の効果が期待できます。
③塾の各種のご案内などをご家庭のパソコンあるいはご両親さまの携帯電話 に送るサービス。
今後とも塾からのご案内は変わらずに行いますが、緊急のご案内や個別のご案内などがさらにスムースに出来るようになります。特に、塾とご家庭との個別のご連絡は従来は電話でしかできませんが、ご不在時なども含め一層の緊密な連絡ができるようになります。また、塾へのご質問、ご意見、ご不満などをいつでもメールで承ることが可能になります。
◆ 上記サービスの実現に係わる主要なコストは当学習会にて負担させていただきます。ただ、ランニングコスト(システムを稼働するのに係わる直接コスト)の一部(生徒お1人月額2000円程度)のご負担をお願いすることになりますのでご了承下さい。本件につきましては1月に保護者会を開催させていただきご説明したいと考えておりますので、その節は、是非、ご出席下さるようお願いします。
◆ なお、上記サービスは「クリスの英会話」「速読」「速聴」は対象外と考えております。これらを受講の方で、本サービスの一部をご利用されたい方は別途お打ち合わせさせていただきますのでご了承下さい。
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Ⅳ.志願理由書の書き方講習について
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◆ 県立高校志望の中3生を対象に、「志願理由書の書き方講習(無料)」を開講します。奮って、ご出席下さい。(申込締切:12月28日)
日時:12月29日(水) 18:00~
■ 今後の予定
1月
15日(土) 模擬テスト(受験生のみ~最終回)
22日(土) 英検第1次試験
以 上