2014年11月号……『進路の先』 塾長/青沼 隆
受験生にとって入試が近づいてきました。特に高校入試では、私立高校の志望先を絞り込みなければならない時期となりました。中学で行われる三者面談では、最終的な志望校を表明しなければなりません。多くのご家庭では県立高校を第一志望としています。それにも拘わらず、第二志望の私立高校を決めなければならないことに違和感を覚えつつ、同時に高校進学への実感が高まってきているのではないかと思います。
こんな時、保護者の方に「高校卒業後はどうされますか」「将来はどのようになって欲しいとお感じですか」という質問をしますと、一様にキョトンとされ、それから「今はそれどころじゃないのよ」という表情が返ってきます。目の前の入試の不安や期待で頭がいっぱい、「その先のことなんて!」というお気持ちは痛いほどわかります。
ただ、子どもは成長します。3年後は大学入試を迎え、大学に入ったら入ったで3年生の後半から就職活動が始まります。時間の流れが止まることはありません。ですから、少し先に目を転じて、今、子どもの将来を考えるのも悪くないと思います。高校と大学は途切れているわけではありません。大学と就職も同様です。高校時代の頑張りは大学につながります。大学時代の頑張りは就職活動につながり、社会人になってからの頑張りにつながるからです。
伸栄学習会では5年前から社会人を対象に研修事業を開始しました。そして、多くの社会人の方と一緒に学び就職活動などを経験してきました。その中で感じたことの1つが、漠然としていても構わないが、将来に対する夢や方向性はあった方がよい、ということです。
必ずしも具体的な職業名である必要はありません。というより、社会の仕組みや職業をよく知らない子どもが、ムリに仕事に結びつけるのは弊害が大きいと感じています。そうではなくて、例えば、人のために役立つことをしたいとか、便利な新しいものを作りたいとか、何でもいいのですが自分が社会で役立ち、存在意義が感じられ、自分を励ます目標を持てたらと思います。そして、目標に向かって自分を位置づけて、その未来からの延長線で目先の高校進学を考えられたらと思います。
もちろん、その夢や方向性は変わるかもしれません。それはそれで結構なことです。大切なことは、少し先の将来を見据えて、社会への貢献という視点も加味して進路を決めることです。高校進学、中学進学、大学進学でお迷いの方、いつでもご連絡下さい。一緒にお子さまの将来について語りたいと考えています。