2013年7月号……『進学フェア』 塾長/青沼 隆
これから秋にかけて、「××進学フェア」とか「○○進学相談会」などと銘打たれた中学・高校の合同説明会が数多く開かれます。この合同説明会では、来場した生徒・保護者は、参加校の先生と校風や入試、進学、クラブ活動など自由に質問して情報を入手することができます。各校が個別に開催する説明会では、当然ながらその学校一校の話しか聞けませんが、この合同説明会では一度に複数校の話を聞けるので効率的といえます。
一口に合同説明会と言ってもさまざまなタイプがあります。東京の私立中学高校がすべて集まる大規模なものから、浦安・市川地区の学校だけの会、男子校あるいは女子校の会、ミッション系の学校の会等などさまざまです。これから秋にかけて、ほぼ毎週、どこかの会場でこのような説明会が開かれます。
ところで伸栄学習会は、数ある合同説明会の中で、特に「首都圏進学フェア」への参加をお勧めしています。この進学フェアは、毎年、8月第一週の土曜・日曜に幕張メッセで開かれます。この時期は夏の暑い盛りです。しかも、中3生がまだ志望校を固めていない時期です。タイミングは決してよいとは言えません。
ただ、この進学フェアには、千葉県の公立高校がほぼすべて参加します。私立中高が参加する合同説明会はほかにもいくらでもありますが、千葉県の公立高校がこれだけ多く参加する合同説明会は他にはありません。一般的に公立高校は、この種のイベントへの参加は積極的ではなく、このフェア以外にも公立高校が参加する合同説明会がないわけではありませんが、ほぼ全校の公立高校と接点を持てる機会はこれ以外にはありません。
ところで説明会に参加する意義は何でしょうか。1つ目は、やはり情報収集です。ホームページやパンフレットなどには書かれていないこと、書かれていても微妙なニュアンスを知るには、やはり直接話を聞くのが一番です。2つ目はその学校の校風や教育方針などを肌で感じることです。当日、面談する先生はたいてい一人です。その先生が必ずしもその学校の雰囲気を代表しているとは限りません。それに、先生は受験生を一人でも増やすためにPRのために来ています。言わば営業マンです。ですから、通常の校内での対応とは違っているかもしれません。それでも、面談を通じて何らかの印象を得ることは可能だと思います。
3つ目は(これが最も大切だと思いますが)、「目的意識」を持つ機会になることだと思います。多くの中3生は受験生として意識を持っていません。受験に対しても具体的なイメージが乏しく真剣味もありません。そんな中3生も合同説明会に来ると、自分と同じ受験生を目にします。ふだん、学校で接している友人たちとは違った様子に見えると思います。その上、高校の先生の話はいろいろな意味で刺激的に聞こえます。ひょっとしたら、帰りの時間には、志望校も絞り込めるかもしれません。
この種の合同説明会でいつも残念に感じることがあります。それは、先生と面談せずに、せっせとパンフレットを集めて会場を去ってしまう子どもがかなりいることです。貴重な機会であり、せっかく時間も使っているのにもったいないことです。ただ、一方で、「どんなことを質問してよいのかわからない」「何を話題にしたらよいかわからない」………という気持ちもわからないではありません。ついては、この「首都圏進学フェア」には、例年、伸栄学習会の講師も一緒に参加して、生徒・保護者と一緒に会場を回ることにしています。よろしければ、是非、一緒に参加しましょう。