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2016年1月号……『試験前夜に眠れないとき』 塾長/青沼 隆

もう10年以上前のことです。ある教育関係者が、「これからは受験生と呼ぶのを止めて進学生と呼ぼう」と言っていました。そのころ既に入試がゆるやかになり、いわゆる受験地獄という言葉が死語になっていました。一部の子どもを除き、子どもたちが以前ほど受験勉強に立ち向かわなくなっていました。子どもたちから「試験を受けて」入学するという心構えがなくなり、トコロテン式に中学・高校・大学に進学しているのだから「進学生」だ、というのがその方の主張でした。

確かにその通りです。出生数を見ても、団塊の世代の270万人は別角として、団塊ジュニア(現在の40歳強)が210万人、10年前の中学3年生(現在の25歳程度)は120万人に激減しています。今の中3はさらに減って118万人、それにここ数年の出生数は100万人ギリギリで推移しています。子どもが減っても学校の定員は減りません(むしろ増えています)。だから、ますます「進学生化」に拍車がかかるのは当然かと思います。

しかし、こんな話をしても、今の受験生には何の足しにもならないかもしれません。これまでノンビリしていた子どもたちも、さすがに年が明けてこの時期になると真剣味を帯びてきます。「年が明けると本気になる」というのは、多くの塾長が口を揃えて言うところです。進学生と言われても何と言われても、今は目標の学校に入るのに精一杯の気持ちだと思います。

さて、こんな受験生(進学生?)にとって、最終志望校、勉強の仕方、生活・食事などの健康面、気持ちの保ち方等などさまざまな課題が山積みとなっていると思います。そんな中で、小さなことはありますが、案外大切だと思われていることがあります。それは試験前日の「眠り」です。

試験前夜は、ふだんどおり、あるいはふだんよりちょっと多く眠りたい、と思っている人は多いはずです。もちろん、それはそれで結構です。ただ、そうなるかどうかは保証の限りではありません。私自身の経験でも、大切な試験の前夜、あるいは大きなプロジェクトを抱えた前夜、眠りにつけなくて困った時があります。眠れないときは焦ります。焦りが焦りを呼びます。「明日は大切な日だ。しっかり睡眠をとらなければいけないのに眠れない。こんなことでは明日実力を発揮できないのではないか。早く寝なければ!」そして、ますます眠りから遠ざかってしまいます………

もし、受験生がこうなってしまったら、「眠れなくても大丈夫だよ!」という言葉を思い出して下さい。前夜の睡眠の深さと合否は無関係です。断言します。実は、このことは、最近、ある知り合いの塾長が送ってくれたメールにもありました。彼の受験指導の経験も私の経験もまったく同じです。どうか、眠れなくても心配しないで下さい。起きて、本を読んだり、計算問題を解いたりしないで、そのまま、ゆったりと布団の中で過ごして下さい。身体のコンディションと合否とは無関係なのですから。

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