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2005年8月号……「日本語力を高めよう』 塾長/青沼 隆

先月号でお知らせしました公立の中高一貫校の新設、あるいは大学入試のAO・推薦入試の拡充など、一昔前には考えられなかった入学試験が次々と現れています。いずれも、従来の英語・数学の入試に代わって、表現力・論理的思考力・読解力・グラフの読み取り能力・コミュニケーション能力で入学者を選抜しようとする動きです。一言で表現すれば「日本語力」による選抜と言えます。
これらの入試で求められる力は、従来の「国語」とは少し違います。「国語」では、長文を読んで個々の設問に答えたり、漢字や文法の知識を問われるというのが一般的です。しかしながら、上記の入試では、細かな設問はあまりありません。むしろ、長文を読んで大意や筆者の意図が問われたり、受験者個人の意見が求められたりします。従って、「国語」より、もっと幅広いレベルの読み書き能力が求められるとも言えます。
従来より当学習会でAO・推薦対策を行っていて強く感じていることは、例えば小論文対策や面接対策を行う際に、その土台となる「日本語力」に問題があるケースがよくあるということです。小論文の書き方や構成を理解させることはさほど難しくありません。ただし、書かれた文章がひどく読みにくかったり、論理展開が著しく主観的であったり、記述に時間がかかってしまうケースなどは修正するのは簡単ではありません。
原因はいろいろ考えられますが、共通しているのは、そもそも「文章を書く」という経験があまりに乏しいこと、さらには、一部を除き、読書などを通じて「文章を読む」という経験があまりに乏しいことです。
多くの保護者の方は、入学試験というと英語や数学などの教科学習を連想されると思います。しかし、時代が変わり、「日本語力」さえ身につければ、国公立大学を含め有名大学に入学することができます。見方を変えれば、「日本語力」があらゆる教科の中で、最も重要な教科になったとも言えます。
算数や英語ができなくて心配され、塾での指導を希望されるご両親さま方はたくさんおられます。しかし、「日本語力」を心配され、塾での指導を希望されるご両親さま方は少数です。確かに、学校の成績にはあまり関係ないので、差し迫った問題として受け止めにくいのが一因かと思います。
しかし、今後とも、入学試験において「日本語力」の重要性は高まります。公立中高一貫校の新設は続きますし、AO・推薦入試を拡大する大学も増えます。従って、学校の教科には存在しないとはいえ、「日本語力」は是非高めて欲しいと思います。当学習会の「速読」「速聴」を受講いただくのも1つの方策です。
ご家庭では、是非、次のトレーニングを進めて下さい。最も子どもに負担のかからない「日本語力」養成方法だと思います。

<日本語力養成トレーニング>
①新聞の第1面のコラム(朝日新聞の「天声人語」、読売新聞の「編集手帳」など)を原稿用紙などマス目のあるノートにそのまま写す。
これによって、「書く」という行為に慣れ、文章作成方法や表現方法をマスターできます。要約や自分の意見を書くのも良いのですが、そこまで要求してしまうと継続するのが難しくなります。まずは「写す」だけでよいと思います。

②日記を書く。
文章量は指定しない。ただし、毎日1行でもよいから書く。文章の点検をしたいところですが、それをすると自分の書きたいことが書きづらくなりハードルが高くなってしまいます。ですから、ご家庭内で、「日記は絶対に見ない」ことを約束しておくことが大切かと思います。

③本を読む
今さら改めて申し添えることはありません。

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