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2010年6月号……『授業』 塾長/青沼 隆

「授業を行います。」………こんなことを言うと、「塾なのだから、授業をするのは当たり前でしょう。」という言葉が戻ってきそうです。塾は子どもの指導をするところ、だから授業するのは当たり前、というのが、一般的な捉えられ方だと思います。しかし、学校はともかく、塾は必ずしも、授業を行っているとは限りません。少なくとも「個別指導塾」では、ふつう、授業は行われません。そして、伸栄学習会も個別指導塾の1つ、だから、ふだん授業を行っていません。

もちろん、ここでいう「授業」とは、先生が黒板を背にした一斉授業を指します。一斉指導の塾でも個別指導の塾でも、もちろん、子どもの教科指導は行っています。教科指導を行わない塾は、基本的に、あり得ないのはもちろんです。あくまでも、指導の形態に限っての話です。

ところで、個別指導がよいのか一斉授業がよいのか、というのは解答のない永遠のテーマです。子どもの性格や、置かれている立場(得意不得意・学習進度・目的)などによって、どちらがよいのか異なります。一般的には、一斉授業は、子ども同士が競い合って切磋琢磨しやすい点で優れています。しかし、わからない子どもは「わからない」ままになります。一方、個別指導は、教室を活性化するのが難しいのですが、子どもの理解に合わせて指導ができ、また、カリキュラムも自由に作れますので、先取りでも、やり直しでもその子の目的に応じた指導ができます。

伸栄学習会ではここ10年間、現在の指導スタイルで指導を進めています。ですから、授業を行っていません。ただ、私自身は、伸栄学習会を開設以来、10年以上にわたって授業を行ってきました。だから、今でも授業は大好きです。教室で子どもたちと一緒にいると、授業をしたくなる誘惑にかられます。そんな気持ちもあり、また、ちょうど、中学生が定期試験の時期を迎えたこともあり、今度、授業をさせてもらうことにしました。

教科は数学、対象は中1・中2・中3、それぞれ1時間の授業を行います。非常に限られた時間です。ただ、この僅かな時間で、定期試験によく出題される重要部分をすべて説明いたします。学校の授業の2ヶ月半に相当する学習内容です。でも、これをコンパクトにすると、たった1時間で終わります。“試験範囲が広い”と多くの子どもたちが感じています。でも、実態はこんなものです。これを実感してもらえたらと思っています。

現在、「塾長」という立場で雑務に追われています。しかし、もともとは塾講師として伸栄学習会を立ち上げました。やはり、講師の仕事は楽しく、そしてやりがいがあります。6月12・19日は楽しみです。一人でも多くの生徒に参加していただけたら幸いです。

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