2011年10月号……『学力アップのための「座り方」講座』 講師/山内 雄司
少し前の話になりますが、夏期講習の終盤に中3対象の「テストの受け方講座」がありました。私も参加し、生徒たちの答案に向かう姿を細かく観察していました。そこで強く感じることがありました。「この子たちはこんな不自然な姿勢で、よく数十分もいられるものだ」
この「姿勢」とは、やる気や態度のことではなく、「体の姿勢」「座り方」のことです。この姿勢さえ直したら、試験の得点もずいぶん上がるだろうに、もったいないことです。それほど多くの生徒は傍目にも辛そうな姿勢で机についていました。
あの姿勢では、脳は体のバランスをとるために使われ、テスト問題に集中できなくなります。そして、あのように胸を窮屈にしていたら酸素の供給量も減り、不自然に曲げられた首は脳への血行も妨げます。なによりも、あんな座り方を続けていたら、長い間には体に歪みをもたらしてしまいます。今後・高校・大学・就職と長い期間を机に向かわなければならないというのにです。
彼らはなぜ、わざわざ不利な「悪い姿勢」をするのでしょう。きちんとした姿勢をとることの大切さは、彼らもよく聞いているはずです。私たちが子どもだったときのことを思い出しても「背すじを伸ばせ」とか、「肘をつくな」とか、言われたものです。しかし、よく考えてみると、それを「行儀の問題」として語られることはあっても、「学習効率の問題」としてきちんと説かれた機会はほとんどなかったようです。
「姿勢」と「学習効果」には、はっきりとした関連があります。ただ、学校でそこをきちんと指導されていないだけです。いい姿勢の効用に気づけば、子どもは自分からいい姿勢をとるようになります。
こんな問題意識から、「学力をアップする『座り方』講座」を開催することにしました。生徒ばかりではなく、座る時間の長いお仕事をされている保護者様にも効果的です。お気軽にご参加ください。