2010年3月号……『問題集の使い方』 塾長/青沼 隆
教科書、ノート、プリントなどと並んで問題集は勉強を進める上で、必須のアイテムです。問題集をまったく使ったことのない人は、まず、いないと思います。ただ、正しい使い方となると、ほとんどの子どもは知りません。
長年、塾で指導していますと、問題集をさまざまな“独自”のやり方で使っている子どもを見かけます。主な「悪い例」を悪い順に並べると次の通りかと思います。
<悪い順ランキング>
①問題をやるだけで答え合わせをしない。
(一体、どういう目的で問題を解いたのでしょうか?)
②問題をやって答え合わせをするが、正答・誤答に拘わらず、すべて○をつける。
③答え合わせをするが、かなりいい加減。
(間違えた問題でも○をつけることがある)
④答え合わせをして、正しい答えを赤字で書いて、一件落着。
(正答を赤字で書いて満足?)
⑤答え合わせをして、間違えた問題を、サラサラと解答を見ながらやり直す。
(多くのこのような子どもは、赤字でやり直しをする)
⑥答え合わせをして、間違えた問題のやり直しをキチンとする。
⑥までキチンとやる子は、かなり良い方だと思います。しかし、このやり方をしている子の多くは、ある一定のところで成績が伸び悩みます。自分では努力しているつもりですが、勉強が定着しないからです。
そもそも、問題集を使う目的は2つあります。1つは、「わからない」ところを知って「わかる」ようにすること。2つは、わかっている(わかっているつもり)だが、実際には「できない」ところを「できる」ようにすることです。
人間はコンピュータではありません。ですから、その場でわかったつもりになっても、試験で正しい答えを書けるようになるとは限りません。むしろ現実的には、わからない問題や間違えた問題は、その場でできるようになったつもりになっても、すこし時間がたてば、やはり、「できない」に後戻りするのがふつうです。
「わからない」「できない」問題は、試験でもやはり「わからない」「できない」のです。
ですから、これを解決するには、「やり直し」がどうしても必要不可欠になります。従って、私の提唱する「正しい問題集」の使い方は次の通りとなります。
⑦間違えた問題は、やり直しをキチンとする。そして、問題集の番号部分に/印を赤字で目立つように入れる。(従って、問題集に書き込みは絶対にしてはいけません)
⑧翌日以降に、同じ問題集を開き、/印から取り組む。正答したら○印、間違えたら×印を入れる。(前にやった問題です。問題のレベルによりますが、悲しいことに5割くらいの確率でまた間違えます。)
⑨翌々日以降に、×印の問題から、また取り組む。これ以降、○になるまで何日でも同じ問題に取り組む。
これで、問題集の中身はすべてマスターできたことになります。問題集は2冊
あるのがベストです。その2冊をマスターすれば、よほどのことがない限り、学校の試験では90点以上取れるはずです。学校の先生の出す問題の1割以上が、2冊の問題集に全くのっていないということは、まず、あり得ないからです。
3月6日にこのテーマで特別授業を行います。一人でも多くの生徒に参加して欲しいと思います。