2005年3月号……『勉強のやり方を学ぶ』 塾長/青沼 隆
2月より全生徒を対象に「勉強のやり方」を指導しました。これまで、その都度、生徒個々に指導してきたものですが、この機会に、再度全員に徹底することにしたものです。2回にわたり、「ノートの取り方」「問題演習の進め方」というテーマで一人ひとりに指導しました。
改めて申し上げるまでもなく、仕事でも勉強でも遊びでも何でも、やり方によってその効果は全く違ってきます。一生懸命やった(一生懸命やったつもり)では、効果が上がるときもありますが、上がらないときもあります。小学校から高校までの勉強は、基本的には、「くり返し」が命になります。生徒の大多数は「くり返し」の大切さは理解しています。しかし、実行ができないケースが多々あります。成績の伸び悩んだいる生徒の原因は、ほとんどの場合、突き詰めるとここに行き着きます。
ノートの取り方は勉強の基本です。ノートという記録がなければ、復習ができません。ごちゃごちゃに書いていたら、読み返すのに時間がかかります。ノートはキチンと取るべきです。ただ、ノートは取ることが目的ではありません。活用するのが目的です。ですから、ノートの作成に全勢力が注がれて肝心の問題演習ができないとしたら本末転倒です。よく、試験前にノートを一生懸命にまとめただけで、問題演習をしないまま試験に臨む子どもがいます。ただこの場合、よほど記憶力の優れている子どもを除き、結果がよいことは極めて稀です。学校の勉強にしろ、受験勉強にしろ、あるいは資格試験にしろ、勉強を進める上で最も大切なことは「問題演習」を行うことです。ノートの目的も、いかに、問題演習を効率的に行うかということに勢力を注ぐ必要があります。従って、例えば、日付を書くとか問題のページ数や番号をわかりやすく書くことが絶対に必要な条件になります。
「問題演習」は勉強の命です。問題集やプリントをどう使うかが「成績」を決定づけると言っても過言ではありません。問題は何のために解くのか、あるいは解かなければならないのか。2つあります。1点は自分が「わかっているかどうか」確認するため、もう1点は、問題を通じて「知識を確固たるものにする」ためです。知識を確固たるものにするには、間違えた問題をやり直しする必要があります。しかし、大半の子どもは、間違えた問題のやり直しをしません。間違えたその場でやり直しをする子どもは多いのですが、それは本当の「やり直し」ではありません。なぜなら、その場でやり直せばできるに決まっているからです。そして、その知識は長期に保存されません。従って、この場合、せっかく問題を解いても知識の獲得にはほとんど役に立ちません。
長期の記憶にするには、「やり直し」を24時間~48時間後にしなければなりません。ですから、例えば、問題集やプリントに答えの書込をしてしまったら、そのやり直しができません。問題には、答えを書かない、ただし、間違えた問題には赤で目立つように/印を入れなければいけないのはこのためです(そうすればどの問題をやり直しすべきか翌日以降すぐわかります)。また、間違えた問題を24時間以降にやるためには、勉強の継続と計画性が求められます。場当たり的な勉強をしていてはこれができません。従って、場合によっては、子どもの生活全般の見直しが必要になることもあります。
もちろん、「ノートの取り方」も「問題演習の進め方」も、1回説明しただけで実行に移せるとは考えていません。これを基本の知識として、今後、授業の中で徹底していきたいと考えています。
子どもたちには、この説明をすべてノートに取らせました。一度、お時間がありましたら、塾でどんな説明を受けたのか話し合いをしていただけたらと考えます。「ノートの取り方」「問題演習の進め方」がキチンとできるようになれば、確実に成績は上がります。ご両親さま方もこの点についてご関心をお持ちいただけましたら幸いです。