2017年12月号……『公立高校入試制度が変わります』 塾長/青沼 隆
案外、注目されていませんが、この2月から千葉県公立入試の制度が大きく変わります。ご存知のように千葉県の公立入試は前期選抜と後期選抜の2回があります。このうち、前期選抜については、かつて千葉県で行われていた特色化選抜というものがありましたが、「特色化選抜の理念を引き継ぐ」となっており、各高校は自校の期待する生徒像に基づき、独自に選抜・評価方法を定めることになっています。
具体的には、
①入試得点(5教科×100点=500点)
②3年間の中学の成績(9教科×5点×3年間=135点)
③調査書(内申書)の記載内容に対する加点
④2日目の入試(面接・自己評価など)
が総合的に勘案され合否が決まります。
このうち、①②は点数化されているのでわかりやすいのですが、問題なのは③と④です。これまで、多くの高校はこの数値を公表していませんでした。ですから、この評価がどのくらい反映されるか全くわからなかったので、合否の実際が外部からは非常にわかりにくいものでした。ところが、この2月の入試から、③④についてもすべて、各高校のホームページに数値化され公表されることになりました。これは画期的なことであり、たいへん望ましいことだと考えます。
ところで、ここで大切なことは、上記の①~④のうち、②と③については、現段階で得点が把握できることです。さら④の2日目の入試についても、自分の得意不得意とその配点もわかっていることです。例えば、同じレベルの高校が2校あったとします。A高校は③と④の配点が高く、反対にB高校では配点が低いとします。この場合、もし仮に、自分が③の得点が低く、面接が苦手だったとします。このような場合なら、A高校よりB高校の方が合格の確率は格段に高くなります。つまり、一口に言うと、千葉県の前期選抜は偏差値だけでは合否が決まらないこと、そして、事前の情報入手がとても大切である、ということをご理解下さい。