2012年1月号……『ミニテスト』 塾長/青沼 隆
伸栄学習会では昭和55年に開設以来、授業開始時に生徒にミニテストを課しています。ミニテストとは5分間の小テストで、数学は計算、英語は単語と基本文、国語は漢字となっています。いずれも、シンプルな内容で、独自に作ったテキストを使って授業の進度とは関係なく、1ページ目から順番に進めています。
ミニテストの一番の目的は家庭学習です。計算のやり方は、習ってから時間がたつと忘れてしまいます。それにスピードも落ちます。単語や漢字も同様です。くり返しがないと定着しません。復習やくり返しは、塾の短い授業時間で行うことは不可能です。それに、先生がついていないとできないものではありません。家庭学習で最適なテーマの1つです。
ミニテストの出題範囲はそっくりそのまま「宿題」にしています。ですから、宿題として事前にやった問題がテストとして課せられるわけです。キチンと宿題をやっていれば、ミニテストでは満点が自動的に取れます。
たまに、「答えを覚えさえすればいいのですね」という質問を受けます。「その通りです」と答えることにしています。英語の単語や漢字なら、覚えることに意味があります。数学の場合、答えの暗記は全く意味がありませんが、長年、塾の講師をやってきて、答えを暗記してくる生徒にお目にかかったことはありません。生徒たちには、この辺りの「常識」は十分通じています。
ミニテストで重要なのは「やり直し」です。英語と国語の場合は、間違えた問題を10回やり直すことになっています。ミニテストで悪い結果を取ると、このやり直しはかなりの負担になります。しかし、事前に準備さえすれば満点を取れるテストです。これをやらないのは本人の責任です。やり直しがイヤなら事前に準備すればいいだけです。この感覚を身につけてもらうのもミニテストの目的の1つです。
ただ、残念なことに、ミニテストの宿題をやらなかったり、さらにはやり直しもやらない生徒が出てきています。経験的に、ミニテストをしっかりやる生徒は、まず間違いなく成績が向上します。ところが、やらない生徒はなかなか伸びません。やらない生徒に厳しく注意しても、なかなか改善しないケースもあります。昔と違って、「怖いもの知らず」の子どもが増えてきて苦慮しています。
しかし、何れにしてもミニテストはとても大切です。宿題を含めてやらせなければなりません。私たちの大きな課題でありますが、ご両親さまにもこの重要性をご理解いただければと思っています。