2009年5月号……『エンピツの持ち方』 塾長/青沼 隆
4月より、かねてから懸案の「エンピツの持ち方」指導を始めました。
学校ではほとんどエンピツの持ち方の指導は行われていません。それどころか、先生自体がエンピツを正しく持てなくなっているケースもあるようです。そのためか、塾の子どもたちを見ておりますと、エンピツを正しく使っているのはほんの数分の一、大半の子どもは、“自己流”の持ち方をしております。
エンピツを正しく持てないと、「書くスピード」が遅くなります。さまざまな研究データがありますが、「書くスピード」と「読みスピード」は学力と高い相関のあることが実証されています。日頃の勉強でも、速く書けて、速く読めれば、当然、勉強の効率が上がります。試験の時にはなおさらです。従って、「学力向上」には書くスピードを上げること、即ち、エンピツの持ち方を改善することも大切な要素の1つとなります。
また、「学力」は別にして、やはり、エンピツを正しく持っている様子は美しく見えます。握りしめたようなエンピツの持ち方、紙と鉛筆の角度が垂直になっている姿は、傍目で見てもあまり美しく映りません。いくらコンピュータが発達しても、「書く」という行為は生涯にわたり何度もくり返されます。できれば、その仕草は美しくあって欲しいと思います。
指導を始めると、子どもたちは全員、「こんな持ち方では字が書けない」と不満を漏らします。ただ、かなりの生徒は改善していきます。ぎこちなさは残りますが、意識して書いていけば、1ヶ月もあればほぼ修復できます(本気になれば3日で改善します)。ただ、一方で、改善意欲の乏しい子どもは、教師の目を盗んで、“自己流”を貫こうとします。教師と生徒との綱引きも始まっています。
ご家庭内でも、お子さまのエンピツの持ち方について目をかけていただければ幸いです。ご両親さまのアドバイスがあれば、改善のスピードも上がります。また、「もちかたくん」という便利な文房具が販売されています。塾ではこれを使って指導を進めています。よろしければ、ご家庭でも購入されることをお勧めします。1個百数十円です。子どもの将来のためにご両親さまのご協力いただけたら幸いです。